もいっちょ140字
昨日あれから、もう3作書いたので、下に載せておきます。
イベントごとは楽しいですねv
満月企画『きさらぎ満月譚』参加作品
「月が綺麗ですね」そっと呼びかけ、私はあなたの手を握る。
いつもゆるりと逃げる手が、今夜はそっと包んでくれた。
「冷たい手だ」
「平気です」
私の頬笑みを受けて、あなたも口角を上げてくれた。
つないだ手と心が暖かいから、せめて今日が終わるまでは、歩いていましょう。
「本当に、月が綺麗で」
呟き、あなたの腕にしがみつく。このたくましい腕が私の欲望に応えてくれる日は来ない。
「お嬢さん、そろそろ」
「駄目です。まだ歩きます」
いっそ月に行くみたいに、2人で逝きませんかと誘いたいけど、本当にご一緒して下さりそうで、さすがに言えません。
「確かに、月が綺麗ですね」
駄々っ子な私に呆れる彼が、私の頭を撫でる。
片方の手はつないだまま、彼はかがんで私に頬を寄せ……帰ろうと言われるのかと身を固くした私に、彼は「どこまで歩きますか?」と囁いた。
思わず「どこまでも」と応えると彼は「承知」と微笑んだのだった。
3部作にしてみたv
改行した方が読みやすいかなと思ったのですが、どうでしょうか。
ツイッターじゃ改行なしですからねー。改行してなくても読みやすく書けてれば御の字でございますが。